PERFECT DAYSの感想

半年前くらいから楽しみにしていた映画、PERFECT DAYSをついに見てきました。

監督がヴィム・ヴェンダースで主演が役所広司でタイトルがルー・リードの曲名からきていると言ったら見ない訳にはいきません。

ヴィム・ヴェンダース監督はご存命の映画監督の中でも個人的には三本の指に入る人です。

あと二人はジム・ジャームッシュとレオス・カラックスということになります。

すんません、あくまでも個人的な趣味です。

そんな監督が日本が誇る名優を主演に選び撮った映画がどんなものなのか?

この半年間、アタマのどこかでずっと考えていました。

カンヌ映画祭で男優賞を受賞したことで期待度は更にアップ!

で、感想は。

いい~わ~

とにかく役所広司の演技が全ての映画でした。

役所広司主演のミュージックビデオと言ってもいいかもしれません。

かかっている音楽が全て良いのです。

数あるヴェンダース作品の中でもここまでシンプルなものも無かったと思います。

敬愛する小津安二郎の代表作の東京物語で笠智衆が演じる役名の平山から今回の役所広司の役名は決まったそうです。

ヴィム・ヴェンダースは東京画と言うドキュメンタリー作品の中で笠智衆にインタヴューしています。

東京画東京物語(1953年公開)の頃と現代(1983年当時)の東京をドイツ人であるヴェンダースの目を通して対比しながら小津安二郎への愛情であふれた素晴らしい作品だったと記憶しています。

記憶がおぼろげなのでもう一度見直さねばと今回思いました。

で、東京画から更に40年経った東京を舞台に今回の映画が製作されたことはある種の奇跡と言ってもいいかもしれません。

その中で役所広司が演じた平山東京物語の1953年から70年の時を超えて誕生したのです。

この映画はここ数十年の中でもかなり貴重な作品だと個人的には思っております。

因みに1953年の笠智衆は49歳だったので撮影当時はちょうど今の自分とおない年です。

日本を代表する老け役だったとは言え、自分も歳をとったなぁと複雑な思いもしている今日この頃でもあります。

そんなこんなでPERFECT DAYSは必見なのです!