『急に具合が悪くなる』について

何だかんだで8月が終わりそうなのに更新が少ないのでした…

先日、映画『急に具合が悪くなる』を観ました。

小田原では7月中に公開が終わっており、あつぎのえいがかんkikiまで行ってきた次第です。

あつぎのえいがかんkikiに行ってみて驚いたことはほぼ満員だったこと。

てっきり空いていると思っていた私の予想を裏切り、隣に人がいました。

しかも85%くらいは割りと年齢層が高めです。

不思議だなぁと思いつつ席に着き、聞くともなく周りの話しに耳をそばだてていると隣ではずっと生前贈与の話しや不動産の話しをしています。

何となく『急に具合が悪くなる』っぽくない層のお客が多いような気がしましたが、仕方ありません。

恐らく、映画の内容はよく知らないけれど、どこかからシニア用の券が回ってきた人たちが来ているのかもしれないです。

そんな空気を感じつつ、映画は始まりました。

3時間半の映画を映画館で見ることは貴重な経験です。

全然長さを感じなかったとは正直言っていいがたいですがとても良い映画だったと思います。

ただ、万人受けは決してしないだろうなぁという内容の作品でした。

万人に受けることを全く考えていない映画。

今までの映画の範疇に収まらない映画。

不思議な映画です。

がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者 宮野真生子さんと、臨床現場の調査を積み重ねた人類学者 磯野 真穂さんが、死と生、別れと出会い、そして出会いを新たな始まりに変えることを巡り、20年の学問キャリアと互いの人生を賭けて交わした20通の往復書簡である一冊の本が下敷きにある映画です。

そもそも女性二人の往復書簡を映画にしようとという発想が斬新だと思います。

どのような形で映画として成り立たせるのか?

濱口竜介監督は『ドライブ・マイ・カー』でも村上春樹の原作を下敷きに映画を作っていました。

ただ、今回の試みはそれよりもさらに原型を飛び越えていそうです。

往復書簡の方もぜひ読まねばと思っている次第ではあります。

取り敢えずなかなか小難しい映画です。

観る人々に苦痛を強いる部分もあるかもしれません。

頭でっかちな内容をおっさん同士が語り合うのではなく、若く聡明な二人の女性が清々しく語り合う様をおっさんは厚木という幾分ニッチな場所で観たのでした。

あの映画を観た多くのご老人たちはどのような感想を持ったのだろうか?

ぜひ聞いてみたかった次第です。

いずれにしても素晴らしい映画なのでまた観たいと思いました。