「人新生の資本論」を読んで

「人新生の資本論」を読みました。

著者の斎藤幸平氏について例によってウィキペディアから抜粋します。

日本の哲学者、経済思想史研究者。専攻はヘーゲル哲学、ドイツ観念論、マルクス主義哲学、マルクス経済学。大阪市立大学大学院経済学研究科・経済学部准教授。博士(哲学)。

まだ34歳です。
新進気鋭の斎藤氏を知ったのはYouTubeでした。
Choose Life Projectの何かの企画で話しているものを見て興味を惹かれたのです。

学者にしてはくだけた語り口が最初はうさん臭く鼻につきましたが、話している中身が非常に鋭く共感できるものだったことから一気に引き込まれました。

「人新生の資本論」は今を生きている誰もが読むべき一冊であることは読んでいる途中から分かりました。

このままでは我々は後世に汚点を残すことになりかねない。
下手をしたら我々が老人になった時にとんでもないことになっているかもしれない。
人生百年時代なんて悠長なことを言っていられないかもしれない。

それらを回避するためには壮大な大転換があらゆる社会システムにおいて行われなければなりません。
そんな大がかりだけれど、決して後ろ向きではない内容です。

カール・マルクス。資本論。社会主義。

これらの言葉は私たち世代にとってはもはや時代遅れの代物だと思っていました。
ところが実はそんなこともなく、世界を見渡すと今の若い人たちにとって社会主義はむしろ切実に求められる社会システムになり得るかもしれないのです。

アメリカの大統領選挙で民主党のバーニー・サンダースが若者の支持を集めていたことがそれを物語っています。

我々が抱いている社会主義のイメージを一度リセットしてくれるかもしれないこの本は本当に読んだ方がいいと思います。

恐らく、日本ではまだまだ受け入れられない雰囲気ではあるかもしれませんが今後この流れがどうなっていくのかを見守りつつ、自分事として関心を持たなければならないと思いました。