先日、ある生徒さんと話している時のことでした。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥って知ってる?」とたずねたところ、
「知らない」という答えでした。
こんな調子で、こちらが知っている前提で使ってしまうことわざや四字熟語って結構あります。
一喜一憂、切磋琢磨などもよく使いがちです。
でもよくよくそれらの言葉を発した後に恐る恐る「知ってる?」と聞いた返しが「知らない」であることは少なくないのでした。
こんな言葉も知らんのか―ッと嘆くことは簡単です。
でも、話が通じないのであれば意味がありません。
たぶん、そういった言葉を知らないことを前提で一つ一つそれらを説明する以外に方法はありません。
一番良くないのは、子供らが分からない言葉を使ったっきりそれでおしまいと言う状態です。
今までに多くのお子さんを見てきましたが、そんな中でとても印象的な生徒がいます。
出会いはもう16年くらい前になってしまいますが、当時小学4年のしゅん君という男の子がいました。
彼はとにかく分からないことを何でも質問する子でした。
普通ならばこんなことを聞いたら笑われるかもしれないということを恥ずかしがらずに聞くのです。
それを見ていつもみんな笑っていましたが、当の本人は全く構わない様子でした。
私はそんな彼のことをいいなーと思っていたものです。
分からないことをそのままにしているととても勿体ないことになるかもしれません。
そんな彼も今年で29歳になるはずです。
こちらに来てからは一度も会っていませんが、そろそろ一緒にサッカーを観に行きたいと思う今日この頃です。