月に思うこと

数日前、満月の夜空を見ながらとりとめもないことを考えていました。

1969年7月16日に打ち上げられたアポロ11号。

3人乗っていたうちの2人が月面を歩いたのに対し、1人だけ降りずに司令船で月を周回し、月面から戻った2人の着陸船とドッキングしたのです。
月面に降り立たなかった宇宙飛行士、マイケル・コリンズさんが90歳でお亡くなりになりました。
ご冥福をお祈りします。

他の2人を残し、月の周りを回っている時の心境はどんなものだったのでしょう?
羨ましさを感じる暇もないくらいの緊張感があったのかもしれません。
或いは意外に余裕があったかもしれません。

いずれにしても月の裏側をたった1人で眺めていたのです。
たった1人で。

月の自転周期と公転周期は同じです。
その結果、地球からは月の同じ側面しか見ることが出来ません。
月の裏側を見た初めての地球人の1人コリンズさんはどんな気持ちでその場にいたのでしょうか?
恐らくとんでもない孤独感と緊張感と興奮状態だったのでは?と想像します。

 Fly Me to the Moonはジャズのスタンダード・ナンバーですが、月を見ているといつも頭の中をこの曲が流れます。
多くの人にカバーされてきた名曲ですが、フランク・シナトラ・バージョンが個人的にはしっくりきます。
アポロ計画中に大ヒットしていたようです。

横浜を離れ、二宮の端に住むようになり、3年が過ぎました。
街灯のあまりない地域です(笑)
それまでは月のことをさほど意識せずに生きてきました。
今では月がない期間は何だか寂しく、月が見えてくるとホッとするくらい月を意識しながら生活しています。

大学生の頃はポール・オースターが好きでした。
中でも「ムーン・パレス」を一番気に入っていました。
ポール・オースターの作品はどれも偶然が重要なテーマですが、「ムーン・パレス」も偶然が作品を前に進めるエンジンのように機能しています。
主人公が大学生だったことも当時の自分にはピッタリきたのかもしれません。

偶然を英語にするとchanceになります。
偶然てチャンスなんだなぁって気が付いたのもポール・オースターの「偶然の音楽」(The music of chance)を読んだ時だった気がします、確か。
それ以来、チャンスは偶然だからつかみ損ねないようにしなきゃだなぁと思うようになり、今でもそう思っています。

大磯で塾を営んでいることも、そこにステキなお子さんたちが通ってくれていることも全ては偶然であり、同時にチャンスでもあります。
この不思議なご縁を大切にしなければと思った次第です。

因みに写真の月夜は浪人生の甥っ子がスマホで撮りました。
なかなかいい感じで撮れてますよねぇ。